買取業者を確かめる

出張買取でクーリングオフできない場面を条文で確かめる

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2026/9/24公開

出張買取で品物を売ったあと、業者から「この取引はクーリング・オフの対象外です」と言われることがあります。そう言われたら、うのみにする前に、どの決まりで外れるのかを確かめます。

特定商取引法では、出張買取は「訪問購入」と呼ばれます。決められた書面を受け取った日から8日間は、クーリング・オフで契約をなかったことにできます。ただし同じ法律の中に、効かない場面も決められています。このページでは、その場面を条文と消費者庁の通達で1つずつ確かめます。効く場合の手続きと、8日間は品物を渡さなくてよい決まりは、買取のクーリングオフの記事で扱っています。

業者が家に来て買ったか(58条の4)

クーリング・オフが効くのは訪問購入だけです。特定商取引法58条の4は、訪問購入をこう定めています。

この章及び第五十八条の二十四第一項において「訪問購入」とは、物品の購入を業として営む者(以下「購入業者」という。)が営業所等以外の場所において、売買契約の申込みを受け、又は売買契約を締結して行う物品(当該売買契約の相手方の利益を損なうおそれがないと認められる物品又はこの章の規定の適用を受けることとされた場合に流通が著しく害されるおそれがあると認められる物品であつて、政令で定めるものを除く。以下この章、同項及び第六十七条第一項において同じ。)の購入をいう。

大事なのは「営業所等以外の場所」の部分です。消費者庁の特定商取引法ガイドは、訪問購入をひとことでこう説明しています。

事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。

自分で店に持ち込んだ買取は、店の中での取引なので訪問購入に当たりません。業者が家に来ない宅配買取も、この定義の場面ではありません。

宅配買取で査定額に納得できなかったとき、品物を返してもらえるか、返送料がかかるかは、法律ではなく各社の利用規約で決まります(宅配買取のキャンセルと返送料で8社を比べています)。箱を送る前に、規約の「返送」と「キャンセル」の項目を読んでおくのが確実です。

ホテルなどの買取催事は、会場の形で分かれる

ホテルや公民館で数日だけ開く買取の催事は、店とも自宅とも言いにくい場所です。消費者庁の通達「特定商取引に関する法律等の施行について」(令和6年11月19日)は、施行規則1条5号の「店舗に類するもの」の条件をこう書いています。

これに対して、省令第1条第5号の「一定の期間にわたり、購入する物品の種類を掲示し、当該種類の物品を購入する場所であつて、店舗に類するもの」は、これら以外の比較的短期間に設定されるものを念頭に置いており、①最低2、3日以上の期間にわたって、②売買契約の相手方がどの物品を売却するか、また物品を売却するか否かを自由に選択できる状態の下で、購入業者が何を購入しようとしているのかが外形上明確であるように購入する物品の種類を掲示しており、③展示場等購入のための固定的施設を備えている場所で購入を行うものをいう。

何日か続けて開かれ、買う品物の種類が掲示され、固定の設備がある会場なら、店と同じ扱いです。通達は、ホテル、公会堂、体育館、集会所でも、この条件を満たせば同じだとしています。

条件を満たさない場所で買い取られたなら、「営業所等以外の場所」として訪問購入に当たる余地が残ります。催事で売ったあとに迷ったら、会場が何日続いていたか、掲示があったかを書き留めておくと、相談するときに話が早くなります。

品物で外れる(施行令34条)

58条の4の括弧書きは、「政令で定めるもの」を訪問購入の品物から外しています。その政令が、特定商取引に関する法律施行令34条です。

法第五十八条の四の政令で定める物品は、次に掲げる物品とする。一自動車二家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く。)三家具四書籍五有価証券六レコードプレーヤー用レコード及び磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物

最後の号は、レコード・CD・DVD・ゲームソフトのように、音や映像やプログラムを記録した物のことです。消費者庁は、それぞれの具体例を通達の別添10の表で示しています。自動車の行はこうです。

自動車(二輪のものを除く。)

二輪、つまりバイクはこの除外に入っていません。車を売ったあとに取り消せるかは各社の約款で決まるので、車買取のキャンセルで大手7社の期限を比べています。売るときの書類は車の売却の必要書類にあります。

家電の行には、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、電子レンジなどが並びます。ただし、施行令34条の括弧書きのとおり「携行が容易なもの」は除外されず、訪問購入の品物のままです。その分かれ目を、通達はこう書いています。

なお、「携行が容易」か否かについては、購入業者が当該物品を売買契約の相手方の自宅等から引き取る際に、搬送要員等特段の準備を要することがあるか否か、によって判断される。

業者が運び出すのに人手や準備が要る大きさかどうかが目安になります。

書籍やCD・DVDにも例外があります。

なお、骨とう品又は収集品として取引されるような物品(例えば、新品であった場合の販売価格以上の金額で取引されるような物品)については、政令第34条各号に掲げられている物品に分類される可能性がある物品であっても、骨とう品(日本標準商品分類上の分類コード943)又は収集品(同分類コード942)として規制の対象に置かれる、と解する。

古いレコードや初版の本のように、新品のときの値段以上で取引される物は、骨とう品や収集品として訪問購入の品物に戻ります。

貴金属、着物、ブランドのバッグ、腕時計は、施行令34条のどの号にも入っていません。訪問購入の決まりは、原則すべての物品を対象にしたうえで、政令で決めた物だけを外す形になっているためです。

自分で業者を呼んだとき(58条の17第2項1号)

「そちらから呼んだので、クーリング・オフはできません」と言われたときの根拠になりうるのが、58条の17第2項です。

第五十八条の六第一項及び第五十八条の七から前条までの規定は、次の訪問購入については、適用しない。一その住居において売買契約の申込みをし又は売買契約を締結することを請求した者に対して行う訪問購入二購入業者がその営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受け又は売買契約を締結することが通例であり、かつ、通常売買契約の相手方の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する訪問購入

この項に当たると、58条の7から58条の16までが使えなくなります。書面を渡す義務も、クーリング・オフ(58条の14)も、8日間は品物を渡さなくてよい決まり(58条の15)も外れます。

ただし1号の条件は、業者を「呼んだ」ことではありません。自宅で売買契約の申込みや契約をすることを「請求した」ことです。通達(58条の17の説明)は、「請求した者」をこう説明しています。

相手方が「○○を△△円で売却するから来訪されたい」など、「契約の申込み」又は「契約を締結すること」を明確に表示した場合のほか、契約内容の詳細が確定していることを要しないが、相手方が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居において当該契約の申込み又は締結を行いたい旨の明確な意思表示をした場合、「請求した者」に当たる。

例えば、相手方が「いくらでも良いので、当該物品を買い取ってほしい。」と言う場合や、事前に当該購入業者から当該物品の購入価格を聞いており、相手方が「あの価格であれば売りたいので来訪されたい。」と契約締結の請求をする場合である。

反対に、当たらない場合も挙げています。

また、購入価格について事前に相手方の同意を得ていても、訪問後に手数料や搬出料といった別の費用を相手方に請求することにより、実質的には購入価格を減額させるような場合や、訪問購入の方法等についての単なる問合せ又は資料の郵送の依頼等を行った際に、購入業者から訪問して説明をしたい旨の申出があり、これを相手方が承諾した場合、「見積りをしてほしいので来訪されたい。」と相手方が明確な取引意思を有しないまま、契約準備に当たる行為のために購入業者に自宅への来訪を求めた場合は、同号には該当しない。

手数料や搬出料の名目で差し引かれる場合と、値の付かない物の処分を頼む場合の許可の違いは、不用品の出張買取で分けています。

「請求した者」に当たる

  • 「いくらでも良いので」買い取ってほしいと伝えた
  • 先に聞いた価格なら売りたいので来てほしいと伝えた

当たらない

  • 見積りをしてほしいので来てほしいと頼んだ
  • 問い合わせたら業者から訪問を申し出て、それを承諾した
  • 訪問後に手数料や搬出料を差し引かれた

呼んだ時点で、売ると決めていたかどうか

業者を呼んだ場合に58条の17第2項1号に当たるか(通達の例から)

見積りのつもりで家に来てもらったのなら、1号には当たらないというのが通達の立場です。呼んだ品物とは別の品物を買い取られたときも、同じように外れません。

また、例えば、相手方が着物に関しての売買契約の締結を請求し、その契約締結のために購入業者が来訪した際に、指輪の売却を勧誘された場合については、適用除外に当たらないと考えられる。

「査定だけ」を頼んだ場合

査定だけを頼んだ場合は、通達の58条の6の説明に出てきます。

他方、相手方が購入業者に単に査定のみを依頼した場合は、「勧誘の要請」があったとはいえない。

同じ説明の中で、通達は「勧誘の要請」には「請求」ほど確かな意思は要らないとしています。その「勧誘の要請」にも当たらない査定だけの依頼を、1号の「請求」と読むのは難しいはずです。ただし通達は、この2つを直接つないで書いてはいません。電話で何を伝えたかによって判断が変わることもあるので、業者とのやりとりはメモや通話の履歴で残しておきます。

引越し前の処分・前から取引のある業者(58条の17第2項2号)

2号は、政令で決めた取引の形を外しています。引越しや遺品の片付けで業者を呼ぶときに、相続人として先に確かめることは遺品整理の買取にまとめています。施行令37条が挙げているのは、次のような場面です。

  • 店を持つ業者が、定期的に家を回り、勧誘をせずに申込みを受けて買うとき
  • 店を持つ業者が、訪問の日の前1年間に取引のあった客の家で買うとき
  • 店を持たない業者が、訪問の日の前1年間に2回以上取引のあった客の家で買うとき
  • 家から退去する予定の人が、自分から業者に取引を持ちかけたとき

前の取引で書面の不備などの違反があった場合は、ここでいう取引に数えません。最後の場面は、特定商取引に関する法律施行規則150条が中身を決めています。

令第三十七条第四号の主務省令で定める場合は、売買契約の相手方がその住居から退去することとしている場合とする。

「退去することとしている」の幅と、「取引を誘引すること」の中身について、通達(施行令37条4号の説明)はこう書いています。

「退去することとしている」とは、いつかは退去する、というような曖昧な予定ではなく、相手方が住居の中にある物品全体について要・不要の判断を既にしていると考えられる期間内、例えば、購入業者に電話で取引の誘引があった日から2週間程度の後には退去する予定である場合がこれに該当するといえる。

売買契約の相手方の方から、購入業者に対して「引越しを予定しており、家財を処分しようと思うので自宅に査定に来てほしい」と電話がかかってくる等、相手方から主体的に購入業者へ訪問購入に関する連絡があれば、これに該当するといえる。

通達の例のとおり、引越しの直前は「査定に来てほしい」という電話でも、この形に当たることがあります。家財をまとめて手放す前に自分から業者に連絡するときは、クーリング・オフに頼れないかもしれないと考えておきます。引越し前の処分では、値段に納得してから売るのが確実です。

営業用の品物(58条の17第1項)

58条の17第1項は、訪問購入の章をまるごと外す場面を決めています。営業のため・営業として結ぶ契約、国外にいる人への訪問購入、国や地方公共団体が行う訪問購入、組合などが構成員に行う訪問購入、事業者が自分の従業者に行う訪問購入です。

家庭で売る人に関わりやすいのは、1号の「営業のため」です。通達(58条の17第1項1号の説明)の例は次のとおりです。

同号に該当する場合としては、例えば、飲食店を営む者が、店を改装する際に店で使用していた食器や調理器具等を売却する場合等が考えられる。

一見事業者名で契約を行っていても、契約対象となる物品が、事業用というよりも主として個人用に使用されてきたものであった場合は、原則として同号に該当せず、第5章の2の規定が適用される。

自営業の人が売る場合でも、主に個人として使ってきた品物なら、訪問購入の決まりが及びます。

呼んでいないのに来た業者(58条の6)

頼んでもいないのに訪ねてきた業者は、そもそも勧誘が禁じられています。58条の6第1項です。

購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所において、当該売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはならない。

いわゆる押し買いの禁止です。消費者庁のガイドは、査定を頼まれただけの業者についても触れています。

いわゆる飛込み勧誘や、単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります。

58条の17第2項が外しているのは、58条の6のうち第1項だけです。自分から呼んだ場合でも、勧誘の前に意思を確かめる決まり(第2項)と、断った人への勧誘の禁止(第3項)は残ります。来た業者が古物商の許可を受けているかは、古物商の許可番号の調べ方で確かめられます。家や土地を売る話は、この章ではなく宅地建物取引業法の側で見ます(不動産買取の注意点)。

「対象外」と言われたら確かめる順番

業者に「クーリング・オフできない」と言われたら

  1. 業者が家に来て買ったか。店頭買取や宅配買取なら、各社の規約を見る
  2. 品物が施行令34条の一覧に入るか。骨とう品や収集品は別に扱われる
  3. 呼んだとき、売ることや値段をはっきり伝えていたか。見積りの依頼だけなら当たらない
  4. 引越し直前の処分か、前から取引のある業者か、営業用の品物か

業者が書面に「クーリング・オフできない」と書いていなかった場合でも、除外に当たる取引なら効くようにはなりません。通達(58条の14の説明)はこう念を押しています。

しかしながら、法第58条の4の政令で定める物品を購入するとき又は法第58条の17で定める訪問購入に該当するときなどに、クーリング・オフができない旨が記載されていないことをもってクーリング・オフが可能となるわけではない。

逆に、業者の「対象外です」という説明だけで決まるわけでもありません。どの条のどの場面に当たるのかを業者に聞き、答えに納得できなければ、相談窓口で確かめます。

困ったときは、一人で悩まずに、「消費者ホットライン」188にご相談ください。

188は、近くの消費生活センターなどの相談窓口につながる番号です。家に居座られた、脅されたというときは、警察の相談窓口もあります。

犯罪や事故に当たるのか分からないけれど、ストーカーやDV・悪質商法など警察に相談したいことがあるときには、警察相談専用電話「#9110」番をご利用ください。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
23
出典
8(法令 3)
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引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

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